山口県立周防大島高校は、平成19年に開校して以来、栄えある歴史を誇る安下庄高校と久賀高校の伝統と教育機能を継承して、「至誠一貫」、「自主自立」、「友愛協働」の校訓のもと、「燦(さん)として輝き、熱誠(ねっせい)こめて社会の力となる人材の育成~他者とのつながりの中で磨く、総合的な人間力~」を学校教育目標に定め、周防大島唯一の高校として、教育の質の向上と充実を図っています。
本校では、「地域に愛され、地域とともにある学校づくり」を推進し、「島じゅうキャンパス」や「島がすき、学校がすき、そこで生きてる人がすき」などの合言葉のもと、周防大島全体を学びの場と考え、地域の皆様の御支援と御協力を得ながら教育活動を充実させつつ、地域の社会や文化を支える人材を育成するとともに、広く国内外で活躍できる人材の育成にも努めています。
これらの取組が認められ、平成27年度には、キャリア教育優良学校文部科学大臣表彰及びESD大賞ユネスコスクール最優秀賞の二つの日本一に輝き、平成28・29年度及び令和2・4年度には、本校生徒が内閣府主催の地方創生☆政策アイデアコンテストにおいて上位入賞を果たしました。さらに、令和5年度には、全国ユース環境活動発表大会において優秀賞を受賞、そして令和6年度には、全国164校32,244名の高校生が参加した「高校生Ring AWARD 2024」で全国第2位に当たる準グランプリを獲得するなど、周防大島高校並びに周防大島地域の取組は、全国的に高く評価されています。現在、生徒達は、ニホンアワサンゴの保護活動や有志のフラダンスチーム「アロハ・フラ島校」の活動、地元産の塩と県内の特産品を組み合わせた塩飴の開発など、これまでの取組を継承しながら自分達で新たな目標を見つけ、その実現に向けてチャレンジしているところです。
本校は、令和8年度から山口県立大学附属周防大島高等学校となります。附属高校の教育課程は、生徒が興味・関心や進路希望等に応じて柔軟な学びができるよう、普通科の選択科目の中にこれまで本校が行ってきたビジネスや福祉に関する科目のほか、新たに情報や看護、栄養など多様な科目を開設・充実させるなど、大学進学から就職まで多様な進路希望に対応できるものとなっています。このうち大学進学については、1年次から少人数指導や習熟度別授業を実施し、2年次からは大学進学コースにより難関大学等に進学する学力を育てます。山口県立大学への進学については、県大進学プログラム(2年次から実施)にエントリーした生徒を対象に、グループ・個人による探究活動や、県立大学の授業など、高校と大学が共同しながら、その学習成果等により入学者(附属高校枠:最大20名程度)を決定する予定です。また、データサイエンス教育や探究学習により、これからの社会に求められる力を育む予定です。
附属高校の入学者選抜(令和7年度実施)では、中学生の受験機会の拡大とともに、附属高校を県内外の広い範囲から選択できるよう、特色選抜・一般選抜・連携選抜の各選抜を県立高校より早期に実施する予定です。
これまで取り組んできた連携型中高一貫教育については、地域貢献・活性化に向けた取組の充実と、学習意欲や学力向上につながる取組の充実による新しい連携をめざして、令和6年11月に周防大島町教育委員会と県立大学とで協定を締結しました。
附属高校では、これまでの周防大島高校の伝統を受け継ぎつつ、視野を山口県全体に広げて、地域課題の解決等に必要な知性や行動力を自ら身に付ける生徒の育成に取り組みます。今後とも、本校教育の展開に一層の御関心をいただくとともに、さらなる御声援と御支援を賜りますようお願い申し上げ、御挨拶といたします。
令和7年4月
山口県立周防大島高等学校長 安部 豊