校長あいさつ

 山口県立周防大島高校は、平成19年に開校して以来、栄えある歴史を誇る安下庄高校と久賀高校の伝統と教育機能を継承して、「至誠一貫」、「自主自立」、「友愛協働」の校訓のもと、「燦(さん)として輝き、熱誠(ねっせい)こめて社会の力となる人材の育成~他者とのつながりの中で磨く、総合的な人間力~」を学校教育目標に定め、周防大島唯一の高校として、教育の質の向上と充実を図っています。

 平成26年には、福祉の心をもって地域に貢献する人材及び起業家精神に満ちた人材を育成するため、交流の島“周防大島”の豊富な教育資源を活用し、フィールドワークや探究活動など多様な学習活動を展開する専門学科として、「地域創生科」(福祉コース、ビジネスコース)を全国で初めて設置しました。そして、「普通科」(特別進学コース、普通コース、環境コース)と合わせて連携型中高一貫教育を推進するとともに、「地域みらい留学」の制度を活用しながら全国からの生徒募集を行っています。

 さらに、平成28年4月には、地域の介護福祉を支える先進的な知識と技術を身に付けた将来のスペシャリスト、福祉分野のリーダーを養成するため、高校卒業以上の方を対象とした2年制の公立の専攻科として、「福祉専攻科」を山口県で初めて設置しました。

 また、本校は「コミュニティ・スクール」として「地域に愛され、地域とともにある学校づくり」を推進し、「島じゅうキャンパス」や「島がすき、学校がすき、そこで生きてる人がすき」などの合言葉のもと、周防大島全体を学びの場と考え、地域の皆様の御支援と御協力を得ながら教育活動を充実させつつ、地域の社会や文化を支える人材を育成するとともに、広く国内外で活躍できる人材の育成にも努めています。

 これらの取組が認められ、平成27年度には、キャリア教育優良学校文部科学大臣表彰及びESD大賞ユネスコスクール最優秀賞の二つの日本一に輝き、平成28・29年度及び令和2・4年度には、本校生徒が内閣府主催の地方創生☆政策アイデアコンテストにおいて上位入賞を果たしました。さらに、令和5年度には、全国ユース環境フォーラム活動発表大会において優秀賞を受賞するなど、周防大島高校並びに周防大島地域の取組は、全国的に高く評価されています。現在、生徒達は、ニホンアワサンゴの保護活動や有志のフラダンスチーム「アロハ・フラ島校」の活動、地元産の塩と県内の特産品を組み合わせた塩飴の開発、新設したeスポーツ部での活動など、これまでの取組を継承しながら自分達で新たな目標を見つけ、その実現に向けてチャレンジしているところです。

 本校は、令和8年度から山口県立大学の附属高校となります。山口県立大学は、地域の要望に応えることができる「地域貢献型大学」として、地域とともに未来を切り開いていく大学をめざしています。本校の特色ある学びをとおして、生徒達は、社会参画への意識を高め、社会貢献できる力を着実に伸ばしており、山口県立大学の附属高校となることで、これまでの学びがさらに広がり、深まっていくことになります。今後とも、本校教育の展開に一層の御関心をいただくとともに、さらなる御声援と御支援を賜りますようお願い申し上げ、御挨拶といたします。


 令和6年4月

 山口県立周防大島高等学校長 安部 豊